波乱の結末を迎えた。米国が14―2で快勝した20日のWBC準決勝・米国―キューバ戦（ローンデポ・パーク）で、選手と観客によるトラブルが注目を浴びている。

　あるキューバ系ユーザーがツイッター上に動画を投稿。動画内では、ある観客が現地のブルペン横スタンドから身を乗り出し、選手に向けて政治的なものと思われる発言を放った。妨害ともとれる執拗な抗議に、ブルペン内で待機していたフランク・アルバレス（中日）は我慢ならず、手に持っていた白球を観客の方向に投げつけた。

　アルバレスは威嚇として投げたものと思われ、ボールが当たることはなかったが、この行動に前出ユーザーは「キューバの独裁者によるチームの投手、フランク・アルバレスが、自由を求めただけのキューバ人にボールを投げつけた」と抗議のメッセージを書き込んだ。リプライ欄には賛同する声もある中で、「野球場は政治的発言をする場ではない」「彼らは政治家ではない。野球場で主張するようなものではない」「そんなことをして選手にどうしてほしいというのか」と否定的なコメントも寄せられている。

　背景にあるのは両国の政治的な関係だ。現在、国交が完全に回復していないこともあり、球場外では米国とキューバの関係に不満を持つキューバ系移民の団体が抗議デモを行っていた。試合中には政治的主張を行う観客が3度乱入するハプニングもあった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a5e4820481ffc4bbfe30dffd3a5231557ca69936